SATO
もくじ
内向型はストレスや不安を感じやすい
内向型人間は、総じて外界からの刺激に敏感です。特に現代社会は、科学の発展によって外界からの刺激量が過剰な時代です。
あふれる膨大な情報。
広く複雑化する人付き合い。
なにごともスピードを重視する、即断・即決・即実行のイデオロギー…etc
ちなみに現代人が触れる1日の情報量は、平安時代の一生分、江戸時代の1年分、とも言われています。
内向型人間は本来、深く考え、じっくりと人間関係を育み、落ち着きや静けさを大切にする気質です。こんな慌ただしい現代では、内向型人間がストレスや不安を感じるのは、当然といえば当然のことです。
だからこそ、内向型人間が現代を生き抜くためには、ストレスや不安と上手く付き合う術を身につける必要があります。
ストレスや不安解消のために運動してみよう
内向型のストレスや不安解消のために、おススメしたいのが運動です。
ストレスによって過去に休職を経験した私も、ちょっとした運動習慣を日常に取り入れるようになって、以前よりも着実にストレスに強くなっています。
ストレスや不安を抱えてしまうと、どうしても、じっと小さく籠りがちになってしまいますが、そんな時こそ、ちょっと外に出て、体を動かしてみてほしいのです。
運動がストレス解消に効果的であることは、科学的にも実証されています。
運動は脳の機能をも強化する
筋肉を肥大化し強化するためには、一度ストレスを与えてから、休ませることが重要___。
これは筋トレの原理である「超回復」のことを指します。
実は、同じことが脳、特に脳の神経細胞についてもいえることが分かっています。つまり、脳の神経細胞にも修復・回復機能が備わっており、軽度のストレスによって、脳の働きが強化され、ストレス耐性が強くなるということです。
そして運動の凄いところは、筋肉の超回復スイッチだけでなく、脳の神経細胞の回復スイッチもONにしてくれることです。つまり、運動すれば身体のみならず、脳をも強く柔軟にしてくれることが分かっています。
定期的な運動をしていると、脳のストレス耐性が強化され、外界からのストレスを受けても急に心拍数が上がったりストレスホルモンが過剰に出ることを抑えてくれます。運動はストレス耐性の閾値を上げてくれるのです。
運動は全自動の対ストレス治療薬
運動をすると、ストレスや不安を抑える様々なホルモン・神経伝達物質が誘発されることが分かっています。
例えば、ドーパミン。
ドーパミンは気持ちを前向きにし、幸福感を高める作用があります。やる気と集中力もグッと高まります。ちなみに運動を習慣にすると、脳内のドーパミンの蓄積量が増え、日常で感じる幸福感もさらに強くなる、という研究結果もあるようです
その他には、エンドルフィン。
エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれ、モルヒネと同様の鎮痛作用、幸福感を増加させる作用があります。「ランナーズハイ」と呼ばれる、誰もがランニング中に経験する高揚感・幸福感は、このエンドルフィンが関係しているといわれています。
セロトニン。
セロトニンは感情や精神の安定・コントロールに深く関わる神経伝達物質です。セロトニンが不足すると心のバランスを保つことが難しくなり、睡眠障害やうつ病の原因と言われています。運動はセロトニン神経系を活性化させ分泌量を増やすことが分かっています。
この他にも、運動にはノルアドレナリン、BDNF、VEGAなど、ストレスの抑制・解消に効果がある、さまざまな化学物質が関係していることが分かっています。
薬による対処療法では、これらの一部を選んで処方することしかできません。しかし運動の凄いところは、これらの体内物質を自動調節し、脳のストレスに対する働きを正常化・強化してくれるところです。
運動は全自動の対ストレス治療薬ということです。
運動はストレスに対するディフェンシブ意識を180度変えてくれる
運動がストレス解消に効果的である理由は、これまで述べた通りです。
そしてなにより運動が素晴らしいのは、それが自発的でコントロール可能な行動であるということです。
運動によってストレスを軽減し、幸福感を感じることが出来る実感が持てるようになると、薬やアルコールなど、副作用のある対処療法的な対策に頼らずとも、自らの自発的な行動によってストレスはコントロールできる、という気付き・発見が生まれます。
つまり、気分がたとえ落ち込んだとしても、体を動かしてすっきりすれば、自分はきっと大丈夫!生きていける!と思えるようになるわけです。
今まで防戦一方だったストレスとの戦いにおいて、自らの支配度が圧倒的に高まります。
それだけでも、自分に自信を持てるようになり、気持ちの切り替えが上手くなります。運動はストレスに対するディフェンシブ意識を180度変えてくれる存在です。
内向型におすすめしたい運動
これまで私はフットサル、バスケ、テニス、ボルダリング等、さまざまな運動を経験してきました。その経験から、内向型におすすめしたい運動にはふたつの条件があります。
それはズバリ
①ひとりでも取り組める
②時間・場所の制限をなるべく受けない
以上の条件を満たす運動です。
ひとりで取り組める
内向型人間は根っからのにひとり好きです。
時には、人肌が恋しくなることもありますが、根本的にはひとりきりの環境を好みます。特に心の充電やエネルギーを回復したい時には、その傾向が強いです。ゆえにストレス解消を目的とした運動も、ひとりでも打ち込めるものであった方が内向型に向いています。
場所や時間の制限をなるべく受けない
内向型人間は、日常的にストレスを受けやすい気質です。
だからこそ、ちょっとした時間でも気分転換・リフレッシュできるように、なるべく場所・時間が制限されない運動を選ぶことをおススメします。取り掛かるのに準備がたくさん要るような運動では、それが逆に負担となってしまい、上手く習慣として取り入れることが難しくなってしまいます。
断然おススメなのはウォーキングからのランニング
いくつもの運動を試してきた中で、私が内向型のみなさんに断然おススメしたい運動は「ランニング」です。
ランニングは、
①場所・時間が制限されない
②お金もかからない(最小限で済む)
③一人でもできる(もちろん複数でも出来る)
という、内向型人間に合う趣味条件をすべて満たしている運動です。
走る時間や距離も自分の裁量次第。
一歩玄関の外に出さえすれば、どこだって走れる。
ランニングシューズとTシャツ短パンがあればOK。
ひとりで黙々と走ることも出来るし、たまには友達と一緒にイベントに参加もできちゃう。
そしてランニングの一番の魅力は「ランナーズハイ」と呼ばれるフロー体験です。
「ランナーズハイ」は走り始めて5~10分経過したタイミングで訪れる一種のフロー体験で、不思議な高揚感・爽快感・幸福感をもたらしてくれます。この体験は特別なことではなく、ランニングをすれば誰もが体験できるといわれています。
日々のストレスを忘れ、手軽に高い幸福感を体験できるランナーズハイは、疲れを感じやすい内向型のみなさんにぜひ体感してもらいたいです。
もちろん、他のスポーツも十分楽しく・ストレス解消に効果があるのですが、仕事や家事の忙しさもあり、私が最終的に行きついたのがランニングでした。
ランニングは、それぐらい自由度の高い運動です。
もしも「いきなり走るのはちょっと…」という方であれば、まずはウォーキングから始めてみてはどうでしょうか。