SATO
もくじ
寝る前の妄想ネタの重要性
内向型人間は考えすぎてしまう性格の持ち主です。
「さあ寝よう」と布団に入って、ふと目をつぶるだけでも、要らぬことばかりを考え、妄想してしまい不安や悩みに取りつかれてしまいます。楽しいことを妄想できれば、そのまま気分よく眠りにつけますが、逆に悲しいこと・苛立つこと・不安なことを妄想してしまうと、悪夢にうなされることだってあります。
私自身、特に仕事のある日には、考えたくもない仕事や人間関係が頭に浮かんで脳が覚醒し、なかなか眠れなかった経験がたくさんあります。
そういう意味でも、寝る前の妄想ネタの役割って重要だと思うのです。
寝る前に心を落ち着かせるには?
瞑想やマインドフルネスをご存じでしょうか。
自分の意識を集中し、雑念をシャットダウンすることで、心に落ち着きを持たせようとするものです。呼び名こそ違うものの、どちらもストレスの低減や精神のマネジメントを目的としています。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏はもちろん、マイクロソフト社のビルゲイツ、イチローなど各界の成功者も取り入れている習慣です。最近では、Googleが社員研修にマインドフルネスを導入したことが注目されました。
一度やり方を覚えさえすれば、誰もがその合理的な手法によって精神の安定を得ることができると、ストレス社会の現代で注目されています。
繰り返しになりますが、瞑想やマインドフルネスとは、何かに意識を集中することで、雑念をシャットダウンし、散乱する心を鎮めようとするものです。つまりそれは、意図的にある種の”妄想”をすることで、心の乱れを整えることとと言い換えることもできます。
この考え方を”寝る前の妄想”に応用することで、快適な睡眠を得られるのではないでしょうか。
心を落ち着かせるための妄想ネタ
『清浄道論』という古代聖典に、深い瞑想状態に入るためのきっかけをまとめたものがあります。いわゆる”妄想ネタ”です。
例えば、現代の瞑想やマインドフルネスでよく用いられるのは”自らの呼吸に意識を集中せよ”というものです。これも自分の意識をある1点に集中させる”ネタ”のひとつと言えます。
「寝る前に要らぬことを妄想して、不安になってなかなか寝付けない…」
そんな悩みを持つ人であれば、寝る前にある特定のことを意識的に”妄想”することで、不安や悩みを回避できるかもしれません。
『清浄道論』に書かれている、先人の妄想ネタの知恵を紹介します。
- 死(死生観)に意識を集中する
- 自分の身体の感覚、呼吸に意識を集中する
- 空間や宇宙を意識する
- 慈しみ(誰かに喜びや幸せを与えること)を想い・願う
- 憐れみ(誰かが苦難・苦しみから救われること)を想い・願う
喜び(誰かの幸せを一緒に喜び分かち合うこと)を想い・願う
ちなみに、これらの妄想ネタ自体に深い意味や宗教的な思想は一切関係ありません。
たとえば、「死生観」を意識・妄想すると、モノや自分への執着を和らげることができます。「慈しみ・憐れみ・喜び」を意識・妄想すれば、孤独感や怒り・憎しみの気持ちを抑えることができます。「自分の身体や呼吸」に意識を集中すれば、あらゆる雑念を捨てることができます。
このような合理的な反応を応用することで、悩み・不安の基となる雑念をシャットアウトし、落ち着きを取り戻そう___。
それが先人の”妄想ネタ”の知恵です。