SATO
もくじ
仕事上でのストレスはとにかく複雑
ストレス研究の世界では、ストレスの原因を大きく4つに分類するようです。
①物理的ストレッサー:光、音、湿気、温度、振動など
②化学的ストレッサー:薬物、匂い、金属など
③生理的ストレッサー:細菌、カビ、ウイルスなど
④心理的ストレッサー:仕事、人間関係、事件・自己など
このうち①~③のストレス要因は、原因自体が科学的にも分析できるものが多く、対策や対応を明確にすることができます。
しかし、仕事によるストレスの原因は、主に④の心理的ストレッサーによるものです。
④の心理的な要因に基づくストレスは、ほかの要因と異なり、簡単に分析がしずらいのはもちろん、個々人によってその反応にも差異があり、一律的に対策が打てるものでもありません。
それが仕事のストレスへの、向き合い方・解決策をより複雑にしています。
仕事ストレスへの向き合い方
経営管理の分野のひとつに、リスクマネジメントという分野があります。
これは経営上で生じるあらゆるリスクに対し、あらかじめ発生を防止するのはもちろん、万が一リスクが生じた場合でもそれを最小限に抑える管理手法のことです。
このリスクマネジメントの考え方は、個人におけるストレスに対しても応用できます。
向き合い方①:予防(ストレスを発生させない)
ひとつめの方法は、これから起こるであろうストレスを予測し、それを発生させないような対策を講じる方法です。ストレスの発生自体を未然に防止できるのなら、それに越したことはありません。周りにいる人間をもうまく使って、自分に向かってくるストレスを回避しましょう。
- 職場の人間関係:上司への事前の根回し、部下や同僚への一言のフォローや気遣い など
- 仕事内容・業務:先輩や上司のサポートを受ける、事前に相談して予防する、前倒しで仕事を進める、不必要に仕事を受けない、ダブルチェックをする など
向き合い方②:軽減(ストレスを受けても影響を小さくする)
ふたつめの方法は、仮にストレスが生じた場合にも、その影響を少なくするように対策を講じる向き会い方です。
起こる可能性が高そうなストレスであるならば、起こることを前提に、自分がダメージ最小限にやり過ごせる方法を考えておきましょう。
- 職場の人間関係:無視する、受け流す、開き直る、笑ってごまかす、深く考えすぎない など
- 仕事内容・業務:あらかじめ結果が出ない可能性やミスが生じる可能性を伝えておき予防線を張る、上司と責任を共有しておく、ミスが起こった時のために次の手を用意しておく、逃げ場を用意しておく など
向き合い方③:移転(ストレスをほかに移す)
3つめは、生じたストレスをほかの何かに移して、自分の中から発散してしまう向き合い方です。
仕事をしていると、どうにも防ぎきれないストレスも出てきます。そんな時は自分では他のどこかに素早くストレスを移転し、うまく付き合っていきましょう。”コレだ!”と思えるストレス発散・解消法を見つけられると強いです。
- 睡眠と食事をしっかりと取る
- 運動をして汗をかく
- 旅行に行って非日常を味わう
- 趣味など好きなことに没頭して気持ちを切り替える
- 他人にストレスを話したり、意識的に泣いたりして感情を吐き出す
- 瞑想をする
- お酒を飲む

向き合い方④:容認(軽微なストレスなら受け入れる)
4つめは、ストレスの発生を認めて”受け入れる”という向き合い方です。ストレスを受けてもそこまで影響が少ない、そもそも発生する可能性自体が低い、ということならば、気にせずにあえて受け入れる覚悟を持つことです。